40歳以上の8割…病気ドミノ倒し 歯周病治すか死を選ぶか
米国では過去に「フロスorダイ」というキャンペーンが張られた。
フロス(糸ようじ)で口腔ケアをするのか、それとも(動脈硬化を招き心筋梗塞、脳梗塞による)死を選ぶのか、という意味だ。同様に米国では、心臓病の手術の際、歯周病がひどければ先に歯周病の治療を行う。動脈硬化を引き起こす歯周病を治療せずにいれば、心臓病の手術のリスクを高めるという考えからだ。
「歯周病を起こすPG菌も問題です。血液を固める作用が強いPG菌が口内で繁殖して全身に運ばれると、血栓が作られ、動脈硬化を進行させます」
■症状改善は最初だけ
歯周病の放置は免疫機能も狂わせる。
「歯周病菌が増えると、それを排除しようと免疫機能が働きます。歯周病菌が繁殖すればするほど免疫機能は過剰になり、菌を排除するための“処理細胞”であるマクロファージが、血栓を作りやすくするのです」
(1)慢性的な炎症(2)歯周病の原因のPG菌(3)過剰な免疫機能――。いずれも動脈硬化を進行させるわけだが、1つだけでも問題なのに、それが3つも重なるのだから、どれだけ歯周病が危険な病気かが分かるだろう。