「睡眠時無呼吸症候群」で有効のはずが “ASVマスク”の危険度
睡眠中に気道が閉塞して無呼吸の状態を繰り返す「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。日中も眠気に襲われたり、集中力が低下するだけでなく、脳卒中や虚血性心疾患といった合併症を招くこともある。そんな病気の治療に使われている“マスク”が実は危険だというから驚きだ。
一口にSASといっても、(1)「閉塞型」(2)「中枢型」(4)「混合型」の3種類がある。一番多いのが空気の通り道である気道の一部が閉塞して、呼吸が一時的に止まる「閉塞型」だ。
「中枢型」は、呼吸の働きをつかさどる脳内の呼吸中枢に異常を来し、呼吸にかかわる筋肉の働きがなくなり呼吸が止まる。「混合型」は、1回の無呼吸発作の中で、中枢型に続いて閉塞型が起こる。
閉塞型は、「CPAP(シーパップ)」による治療が有効だといわれている。寝ている間、機械から空気が送り込まれるマスクを装着する持続式陽圧呼吸療法だ。
中枢型は、その自然経過がまだはっきりわからないため、有効な治療法も確立していなかった。心不全や脳血管病の人は中枢型を発症しやすいことから、原因となる病気の治療が行われてきた。