手術の前に…逆流性食道炎は「ARMS」で治すという選択肢

公開日: 更新日:

 現時点で、ARMSを受けた患者は70人いるという。

「薬物療法では効果がない患者さんが対象です。ただし、食道と胃のつなぎ目が緩み、それが胸の方に『滑脱(ずれ)』している場合は、従来の外科手術になります」

 条件を満たしていても暴飲暴食や早食いがやめられないような人には、井上医師は外科手術を勧めている。それらの生活習慣は、ARMSの効果を弱めるからだ。

「外科手術で期待される効果が100点だとしたら、ARMSは70点。十分に合格点ですが、生活習慣によっては向いていない人もいるのです」

 ARMSを受けた人のうち5割は薬を飲まなくても症状がなくなり、5割は薬で症状をコントロールできる。それまで薬が効かなかったが、治療によって効くようになる。

 現在は自費診療で、「3割負担の人が手術を受けた時に払う金額」と同程度とのことだ。

 逆流性食道炎は暴飲暴食と関係が深い。つまり逆流性食道炎になる人は、ほかの生活習慣病のリスクも抱えており、近い将来、糖尿病、高血圧脂質異常症などを発症する可能性が高い。逆流性食道炎の治療の選択肢が増えたのをきっかけに、「将来」を考えて生活も改めるべきだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ