子供は学力低下招くことも 「視力2.0は良い目」の誤解
子供の視力が「2.0」だった。「うちの子は視力が良い」なんて喜んではいないだろうか? 子供も大人も「視力の良さ」が、かえって快適な生活を奪っているかもしれない。
視力検査を初めて受けた子供時代から、「1.5」や「2.0」など“遠くが見える視力”であれば「視力が良い」とされ、逆に近視であれば「視力が悪い」と言われてきた。そのため、どうしても「視力が良い」=「良い目」と考えがちだ。
しかし、梶田眼科(東京)の梶田雅義院長は、「『視力が良い』は『快適に見える』こととイコールではない」と指摘する。
「患者さんが裸眼視力1.0以上で、頭痛や肩こりなどの不調を訴えたら、眼鏡などで視力の矯正を行います」
自分の生活をあらためて思い返せば、すぐに納得がいくだろう。現代の生活では、クルマを運転している時以外は、パソコン、スマホ、書籍、新聞、仕事の書類など、手元のものを見ている時間の方が長い。
「黒板の文字を日常的に見る学生時代を除き、近場を見る機会が多い現代の生活では、近視が適している。1.0以上の視力は逆に『見えすぎ』で、『遠視』として視力矯正が必要なのです」