肺がん<2>「一緒に健康診断を」友人の誘いが救いになった
「何十年とどこも悪いところがないし、3食とも食事はおいしい。ただ、年金生活者で地味な生活を送ってきましたから栄養に偏りがないかが心配でした」
■「肺がん」という病名は浮かばず
当日は検査のために朝食を抜いて、友人と2人で自宅から徒歩10分というクリニックを訪ねた。問診、身体測定、血圧、尿、心電図、胸部X線検査など1時間ほどの簡単な受診で帰宅。1週間後、検査結果を聞きに再びクリニックを訪ねると、院長がX線の画像を見ながらこう言った。
「肺に気になる影が見えます。総合病院を紹介しますから、精密検査を受けてくださいね」
肺に影――。そう告げられても、橋本さんの頭の中には「肺がん」という病名はまったく浮かんでいなかった。
2017年もあと数日で終わろうとしている12月末、長女と一緒に自宅から歩いて十数分という総合病院を訪ねた。再び血液検査、CT、MRI検査などを受診し、結果が出るまで気持ちが落ち着かない不穏な1週間を過ごした。