救命救急専門医が語る 熱中症リスクの高い人とその対処法

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 子供の熱中症はマスコミで大きく取り上げられるため目立つが、多くは軽症だ。深刻なのは社会的つながりの薄い高齢者だという。

「マスコミは熱中症の過去の緊急搬送データなどから『高齢者が熱中症になりやすい』と言いますが、高齢者だから熱中症になるわけではありません。高齢者世帯であっても子供たちが頻繁に顔を出し、『冷蔵庫に何も入ってないじゃない、ちゃんと食べてる?』『食べてるよ』『エアコンはケチらずにつけなきゃダメ』などと言い合える関係性があれば熱中症にはなりにくいのです」

 仮に家族が近くにいなくても、社交性のある高齢者なら新聞やテレビが連日報じる「熱中症関連ニュース」を見て自身で警戒するし、周りの者も放っておかないだろう。

 ところが、1人あるいは夫婦2人だけで、新聞もテレビも見ない、人付き合いが乏しい高齢者世帯だと、「これくらいの暑さならエアコンを我慢しよう」「きょうは食欲がないから食事は抜こう」などと考えてしまう。それが高齢者に熱中症が目立つ背景になっている。実際、東京都監察医務院の15年夏の熱中症死亡者集計では熱中症死亡のほとんどが屋内で起こっており、その65.6%が1人暮らしで、90.3%がクーラーを使用していなかった。

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