ピンピンコロリを望むならそれに至る生き方を学び努力する
医師は多忙だ。毎日、多くの患者を診察し、各種の検査を指示する。そのデータを基に病名を診断し、患者に病気のリスクを伝える。
その後、治療に適した医薬品や手術療法などを選択して、完治までのスケジュールを描き、経過を観察することになるが、本当にそれだけでいいのだろうか。
「多くの患者さんは、まだ深刻とはいえない検査データに安心し、将来の自分の健康に目を向けません。病気の恐ろしさが分からないからです。病後の生活と健康を維持できた時の生活の違いを実感してもらい、時に人生をマネジメントするのも医師の務めかと思うのです」
教授として東京慈恵会医科大学病院(東京・西新橋)で「行動変容外来」も担当する横山啓太郎同大晴海トリトンクリニック所長は患者に以下の3通りの死に方を説明する。
①いわゆるピンピンコロリ。突然、枯れ木がポキンと折れるような死に方。
②心筋梗塞やがんなど、病気により、肉体、精神、社会、経済などの質が落ちていくパターン。