著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん<6>「根治を目指さない」化学療法4つの特徴

公開日: 更新日:

 2つ目は、使用できる薬剤が豊富にあることです。2001年当時、効果が期待できるのは5―FUとシスプラチンぐらいだったのですが、現在は10種類以上が使われています。そのうちの2種類は分子標的薬、1種類は免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ)です。

 3つ目に、治療を始める前にHER2と呼ばれる遺伝子の検査を行います。がん細胞の増殖に関わる遺伝子で、乳がんなどで有名ですが、胃がんでも重要な役割を果たしていることがあります。このHER2遺伝子が陽性か陰性かで使う薬が違ってきます。

 そして4つ目が、抗がん剤治療の体系化が進んだこと。胃がんでは3段構えになっており、初回の治療(1次治療、ファーストラインなどと呼ばれる)でもっとも効果が期待できる薬が使われます。

 しかし、それで効果が得られなかったり、効き目が落ちてくると、2次治療(セカンドライン)、3次治療(サードライン)と移っていきます。

 いまでは詳しいフローチャートが作られており、素人が見てもどんな順序でどんな薬が使われるのか分かるようになっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ