新型コロナ予防にカキと玉ネギ?医師注目のケルセチンとは
山嶋医師が言う。
「効果があるのではと言われていても、長期で見ないと本当に有効か否かは分かりません。ただ、治療薬として塩酸クロロキンを採用した韓国の死亡率が極端に低いことが世界的に注目されているのは事実です。塩酸クロロキンは、ウイルス増殖抑制効果がある亜鉛の細胞内への流入を促進するだけでなく、ウイルスの宿主細胞への出入りを阻害するため、理論的に期待が持てる。ただし、副作用が強いので使いづらい薬でもあります」
■食品なので副作用もなし
循環器疾患があると、服用の仕方によっては不整脈など命にかかわる副作用を引き起こすことがある。また、病院での処方薬なので、試したくても簡単に入手できない。
そこで山嶋医師は、塩酸クロロキンと同様、亜鉛の細胞内流入を促進するケルセチンに注目した。玉ネギやリンゴの皮に含まれるポリフェノールの一種だ。
ウイルスはヒトの細胞に入ると細胞膜にくっつき、ヒトの細胞が持つタンパク合成システムを横取りして、ウイルスのRNAとタンパクを量産させる。