なかなか良くならない拒食症に「集団家族だけ療法」

公開日: 更新日:

■数年前は命の危機があった患者が「普通」の生活に

 こんな経験はないだろうか? 夫(妻)に自分の気持ちを理解してもらいたいだけなのに、全く耳を傾けてくれないばかりか正論をとうとうと述べられる。次第に「何を言っても無駄だ」とむなしくなり、場合によっては激しい感情や衝動が込み上げてくる。

「摂食障害の親子でも、同様のすれ違いが繰り返されている。親が大好きで繊細な子供ほど、親の顔色ばかりうかがうような言動を取ります。やがて“いい子”でいることに行き詰まり、その破綻が摂食障害や親を困らせる問題行動に走らせる。親に傾聴・共感を徹底して求めるのは、“どうせ理解してもらえない”という子供の、親への不信感を和らげ、親への信頼感を取り戻すのが目的です」

 月1回の家族だけ療法では(コロナの影響で今はオンラインでの限定開催)、毎回親子の関わりが報告され、それに対して宗医師らが、「どのような言動が共感的か」といった助言・指導をする。

 一朝一夕には結果が出ないが、数年前は命の危機を迎えていた拒食症の子が、今では大学生や社会人として「普通に」生活をしていたり、結婚し子供を育てていたりするエピソードは数え切れないほどある。

※拒食症は正確には「神経性やせ症」という病名だが、文中では分かりやすい拒食症を使用。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議