アバターでVR空間に参加してうつを改善 世界で初めて証明
「VRセラピーなら場所を問わず参加でき、調子が悪ければ途中で抜けられ、興味のないテーマなら気兼ねなく休める。20時開始のアバター参加なので自宅や通勤中でも、他人の目を気にせずにリラックスして参加でき、話にも集中できます。また『自分一人ではないんだ』という赤の他人との不思議な連帯感がモチベーションを上げるという声も多く聞かれます」(宗医師=以下同)
プログラムは、宗医師が都内大学病院で6年間にわたり精神疾患患者向けに実践してきた教材を一般向けに改変。海外駐在員も含むうつの会社員16人を対象にした2020年2~3月の前後比較試験では、プログラム後のうつ改善が実証された。
さらに7月からはプラセボと比較する厳密な無作為化比較試験で検証が行われた。対象は全国のうつに苦しむ100人。VR空間でのグループ心理セラピーは国内外ともに例がなく、これだけ大規模な遠隔セラピーの効果報告もないという。
プログラムは週1回60分(30分レクチャー、30分質疑応答)を全6回で構成。内容は、「苦悩と距離を置く技術」「消えない疲労の超回復法」「不安やモヤモヤが減衰していく“正しい”呼吸」「囚われを断ち切る科学的メソッド」「“半歩前”に気付ける自滅回避術」「“こころ”の癖を直す方法」など多岐にわたり、かつ具体的だ。