正確な中性脂肪値を知るのは困難… ニセの数値であることも
さらに中性脂肪が厄介な点は、一日の中でどんどん数値が上がっていく可能性があることです。
中性脂肪は食後に上昇し、6時間くらいでピークを迎えるといわれています。たとえば、朝7時に朝食を取ると、13時にピークを迎えます。ちょうど昼食の時間ですので、中性脂肪は下がることなくまた上がります。
昼食後の中性脂肪のピークは19時で、夕食時間と重なり、また数値が上がります。夕食後の中性脂肪がピークを迎えるのは深夜1時。中性脂肪が高くなるような脂っこい食生活を送っている人は、中性脂肪がかなり高いまま一日を過ごしていることになります。
残念ながら、検査では中性脂肪は空腹時に測定するのが一般的で、食後はチェックしていない。時に食後値のみ高い「隠れ高中性脂肪」もあり、心血管イベント発症に関与しますので、こちらにも注意が必要です。
空腹時の中性脂肪ですら、正確な数値を把握できていない。食後に関しては、なにをか言わんや、です。自分がどれだけ危険な状態で日々を送っていたか、それをようやく知るのは、脳卒中や心筋梗塞を起こしたときなのです。気を付けていただきたいです。