東京五輪前の「短期大量接種」は逆効果にならないのか?

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 モンタニエ博士は「コロナの変異株はワクチン接種により、元の変異株よりも多くの害を引き起こす可能性がある」と述べているという。

 その根拠のひとつとしているのが「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象だ。「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長が言う。

「ADEとは本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進。免疫細胞が暴走し、症状を悪化させてしまう現象のことを言います。そのメカニズムは、はっきりはわかっていませんが、コロナウイルスが原因となる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対するワクチンの研究では、ワクチンを投与した実験動物がウイルスに感染すると症状が重症化したほか、ネココロナウイルス感染症でもウイルスに対する抗体を持ったネコが、再感染することで重症化したことなどが報告されています」

 それにしてもなぜ、この話が日本では話題にならないのか?

「実は、モンタニエ博士は、しばしばお騒がせな言説をすることで知られ、新型コロナに関しても『新型コロナウイルス中国・武漢にあるウイルス研究所から事故的に漏洩した。これは人工操作されたウイルスだ』と発言して物議を醸した人物です。80代でしがらみを気にせず発言しているからでしょう。ただでさえ、ワクチン否定の言説は世界的に批判され、無視される傾向にあるうえ、そうした過去があるために、メディアに取り上げにくいのかもしれません。しかし、ワクチンが新たな変異株を作り出す可能性は十分あると思います」

 それでなくてもウイルスは2週間に1度のペースで変異する。東京五輪前にさらにタチの悪い変異株が現れて、急拡大しなければいいが……。

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