東京五輪前の「短期大量接種」は逆効果にならないのか?
7月23日の東京五輪開会式まで残すところ2カ月。政府によるワクチン接種を加速させるための体制強化に拍車がかかってきた。
既に東京、大阪に大規模接種会場を設け、自衛隊の医官、看護官らによる接種をスタートさせたほか、全国の自治体では政府の要請に基づき、さらなる医療従事者や会場の確保など準備を進めている。東京都は独自の大規模接種会場を設置する方針で、小池都知事は21日に日本歯科医師会の会長らと面会し、ワクチン接種で歯科医師の協力を求めた。
政府はワクチンさえ打てば新型コロナは抑えられる、と思っているようだが、本当にそうなのだろうか? 確かにワクチンの有効性に関するさまざまなデータが公表され、ワクチン接種に積極的だったイスラエルや英国などでは新型コロナが収束しつつある。しかし、その一方で急速にワクチンを接種した国の中にはブラジル、インドなどのように変異株が急拡大した国もある。日本でも感染力の強い変異株が急速に広がり、現在も感染者が急増中だ。
そんななか「ワクチン接種が新たな変異株を生み出している」と語っているフランスのリュック・モンタニエ博士のインタビュービデオが、SNS上で話題になっている。博士はHIV(ヒト免疫不全ウイルス=通称エイズウイルス)を発見し、2008年にノーベル医学・生理学賞を受賞した世界的なウイルス学者だ。