【顔面神経麻痺】ヘルペスウイルスの再活性化による末梢性タイプが多い
「顔面神経麻痺」は、顔面の筋肉を動かす神経に麻痺が生じる病気です。中枢性のものと末梢性のものに分けられ、中枢性のものは脳卒中などが原因となり発症します。
一方、末梢性のものは主にヘルペスウイルスの再活性化が原因で、顔面神経麻痺の多くはこちらです。“ももクロ”の佐々木彩夏さんが今年7月に入院されたのも、右末梢性顔面神経麻痺と報道されました。ちなみに、私も昨年4月に左末梢性顔面神経麻痺を発症した経験があります。
ウイルスの再活性化が原因になる末梢性の顔面神経麻痺としては、「ベル麻痺」と「ラムゼイ・ハント症候群」がよく知られています。いずれも、ある日突然、片方の顔面の動きが麻痺する病気です。ベル麻痺の年間発症率は、人口10万人あたり15~30人で性差はなく、ピークは40代との報告があります。
麻痺が残ってしまうのが一番怖いケースですから、重症化や後遺症を防ぐためにも速やかに治療を開始する必要があります。治療は、神経の炎症や浮腫を取り除くための「経口ステロイド薬」(プレドニゾロン)と、ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」の投与がメインとなります。