8年ぶり再開の子宮頚がん予防のHPVワクチン いま知っておくべきこと
「接種後に生じた症状とHPVワクチンとに因果関係がないことは、名古屋市の大規模疫学調査、厚労省の全国疫学調査、海外での膨大なエビデンスではっきりと証明されていましたが、国の判断までに8年以上を要しました」
HPVワクチンに限らず、どのワクチンも接種後に何らかの症状が出ることがある。たまたまワクチン接種に前後して体調不良が生じることも。体調不良の際には、まず接種医に相談。今では全国の自治体に相談窓口が設置され、医師会の手引書も作られている。
■だれが対象?
HPVは主に性交渉で感染するため、思春期前の接種が望ましく、定期接種の対象は小6~高1の女性。標準的には6カ月間に3回接種する。
「ただし、HPVは一度感染しても消えることが多く、思春期以後の接種でも十分に有効。20~25歳の日本人女性で、子宮頚がんの原因になりやすいHPV16、18型に感染しているケースは10%に過ぎず、この年代でも90%の人に有効性が期待できます」