8年ぶり再開の子宮頚がん予防のHPVワクチン いま知っておくべきこと
■接種の効果は?
子宮頚がんはHPV感染後、前がん病変を経て発症する。各国の研究でHPVワクチンの効果は感染をほぼ100%防ぎ、前がん病変、子宮頸がん双方の予防は80~90%台と非常に高い。接種年齢が低いほど抗体価の上昇が高い。
日本では子宮頚がんは毎年約1万人が感染し、2800人が命を落としている。一方、子宮頚がん検診の高い受診率に加えて、HPVワクチン接種が進んだ諸外国では子宮頚がんの罹患数は激減している。
「WHOは全世界で2030年までにHPVワクチン接種率を90%、検診受診率を70%にすることで、今世紀中に子宮頚がんを世界から消滅させるのを目標にしています」
実際、2020年にはHPVワクチン接種率が70%を超えている国が、中低所得国を含めすでに20カ国以上。検診受診率とワクチン接種率の高いオーストラリアでは、28年には子宮頚がんがほぼ征圧(人口10万人当たり4人以下)されると推測されるが、日本がこのレベルに達するのは、遅れること50年後の2080年だ。