1週間の入院生活で感じた「感染対策」と「病院食」の重要性
そうした経験から、退院後も公共の場で設置してあれば、意識して必ずアルコール消毒を行うようになりました。会社勤めしているような一般の人たちも、感染対策や生活習慣をあらためて見直す意味でも、人間ドックなどで短期入院してみるのもいいかもしれません。
■薄味でまずいと言われるが…
入院生活中には、食事のありがたみも痛感しました。寄生虫のアニサキス疑いによる小腸閉塞で、イレウス管と呼ばれるチューブを鼻から小腸まで挿入し腸管内を減圧する処置を行っていたため、当初は食事ができませんでした。数日後に全ての症状が治まり、イレウス管が外れてからいわゆる病院食が出るようになり、重湯から始まって徐々に固形食になっていったのですが、その病院食のなんとおいしかったことか。病気をすると、食事が何より楽しみだという患者さんの心境が、あらためてよくわかりました。
よく「病院食はまずい」と言われます。順天堂医院では、病院食のメニューは栄養科の管理栄養士が考えていて、1食につき40種類以上のメニューが作られます。たとえば、糖尿病や高血圧がある患者さんに応じた制限食をはじめ、腎臓病食や肝臓病食といったように臓器ごとの食事管理が行われているのです。適切なカロリー、塩分やタンパク質の量などを計算し、それに応じた食材を選んでメニューが作られているため、普段の食事と比べるとどうしても淡泊な薄味になる傾向があり、患者さんは物足りなく感じるのでしょう。