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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大学生の体格からみる「所得格差は健康格差」医療情報学教授が語る

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 その前後から「食育」という言葉がはやりだしたのを、記憶している方も多いと思う。孤食や偏食、朝食を抜く子供たちが増え、社会問題化したのである。これを受けて、政府の「第1次食育推進基本計画」が策定されたのは、06年のことだった。それがずっと続いており、昨年は「第4次食育推進基本計画」が発表された。ということは、逆に食育がうまくいっていないのかもしれない。

 またほぼ同時期に「子供の貧困」が叫ばれるようになった。貧困と言っても、食事に事欠くような家庭はまれで、「所得格差の拡大」と言ったほうが的を射ているのだが、学校の給食費すら払えない家庭もジワジワと増えているらしい。家でも、栄養のある食事を十分に食べていない可能性がある。

 そういう子供が増えているのだから、大学の新入生も、この先何年にもわたって、体格の低下が続くのは必至である。

 さらにそれが、10年後、20年後の日本人の新たな健康問題の火種になるかもしれず、先行きが不安である。

(永田宏・長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授)

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