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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

コロナを超過死亡数で知ることはできるのか? 医療情報学教授が特別寄稿

公開日: 更新日:

 新型コロナでどれだけの人数が亡くなったのか、最終的には「超過死亡数」で推計するしかないという人がいるが、はたしてそうだろうか。

 超過死亡数とは、1年を通して実際にカウントされた死亡数から、年初に想定されていた死亡数(例年の死亡数をもとに推計)を差し引いたものである。つまり1年間を通して発生した「想定外の」死亡数のことだ。

 超過死亡が生じる理由はいろいろ考えられるが、コロナ前は主にインフルエンザによるとされていた。しかし2020年以降は、インフルエンザが世界的にほとんどゼロだったため、大半が新型コロナによるものと考えられている。超過死亡には、コロナ死と診断された人数(各国政府の発表人数)だけでなく、本当はコロナにかかっていたのに、そうとは分からず亡くなってしまった人や、医療崩壊などで十分な治療を受けられなかった人など、いわゆる「コロナ関連死」も含まれる。

 政府が発表するコロナ死者数は、必ずしも実態を反映しているとは限らない。コロナ死の定義が国によって異なっているうえに、コロナ禍が始まった当初、ヨーロッパやアメリカでは、医療現場が大混乱していた。また発展途上国の中には、いまでも検査体制が不十分な国が少なくない。

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