健康に良い冬場の着こなし方 「快適環境生理学」の大学名誉教授が指南
もちろん、外出する際は襟元や袖口などの開口部は閉じておくこと。せっかく体幹部で暖まった空気がそこから逃げ出し寒くなってしまうのを防ぐためだ。
ただし、体を動かすなどして服のなかで熱がこもり汗をかくようなときは、すぐに開口部を開けられる。そんな服装が望ましいと平田名誉教授は言う。
「基本的には一番外側には風を通しにくいアウターを着用し、その下には編み目の大きいセーターや裏起毛のトレーナーなどが良いでしょう。衣服で暖かさを保つには体から発せられた熱をできるだけ衣類にとどめることが大切です。空気は熱を伝えにくいため空気を多く含む衣類ほど保温効果がある。その意味で編み目の大きい衣類、ふんわりした着心地の衣類は保温性が高いといえます」
重ね着は空気の層を幾重にもつくり、暖められた空気を逃がさないという意味で重要だ。ただし、オーバーサイズの衣類だと衣服と衣服の空間が大きくなり過ぎて空気の対流が起きて熱が逃げてしまう。
しかし空気層がつぶれてしまうほど密着する重ね着では、せっかくの保温性が失われてしまう。大切なことは、重ね着ではできるだけ動かない空気層が重なるサイズの衣類を身に着けることだ。下着はどうか。