最近の水虫は夏より冬に繁殖する? 取り巻く環境が変わった
【Q】 水虫は夏に多く、秋口からかゆみなどの症状は治まると聞きました。しかし、私の水虫は一向に衰えてくれません。私が知らないだけで特別強力な水虫でも流行しているのでしょうか?
【A】 そういうわけではありません。昔と比べて水虫を取り巻く環境が変わったため、流行期が変化しているだけです。
そもそも水虫と呼ばれていますが、その正体は医学的には虫ではなく「白癬菌」と呼ばれるカビです。高温多湿で繁殖が活性化するため、昔は夏をピークに乾燥する冬は水虫の症状が治まるのが一般的でした。しかし、最近は冬こそが水虫の繁殖期になりつつあります。室内はほとんど暖房が完備され、革靴やブーツなど通気性の悪い靴を履くことで足がむれやすいためです。いまでは冬に水虫の症状に悩む人が増えている印象です。
水虫にはいくつかのタイプがあり、なかにはそれを水虫と思わず、雑な扱いをして患部を広げてしまう人もいます。
水虫のタイプ・症状は、①足の指の間がかゆくなる趾間型②土踏まずや足の外側に小さな水ぶくれができる小水疱型③足の裏全体が硬くなるひび割れができる角化型④爪の先が熱く黄白色に濁る爪白癬⑤手にできる手白癬などがあります。
水虫は辛抱強く治療を続けなければ治りません。心当たりのある人は皮膚科に相談することです。
(弘邦医院・林雅之院長)