再検査では腎臓だけでなく全身の健康状態もチェックしたい
前回、健康診断などで「腎臓の再検査を」と言われた場合はどうすればいいのかをお話ししました。今回は、当院の例となりますが、再検査について、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
慢性腎臓病になった患者さんは「透析予防・心血管予防・寝たきり予防」といった「3つの予防」を意識する必要があると私は考えています。
「透析はわかるけど、なぜ心血管や寝たきりの予防を考えるの?」──そんなふうに感じた人も多いかもしれません。
実は、腎臓が悪くなった人は、そうでない人と比較すると、心不全や脳卒中などの心臓や脳の病気になる確率が2~3倍程度高かったり、筋力が落ちたり、骨がもろくなることが原因で身体機能が7割程度になるといわれています。
そのため、「腎臓の再検査を」と言われて来院された患者さんには、当院では必ず「腎臓を詳しく調べるだけでなく、全身の評価を行う」ことにしています。
腎臓の検査として健康診断などで使用されるのが「クレアチニン」の値。ただし、クレアチニンは筋肉量などの影響を受けて、正確な腎機能を反映しないこともある。そのため、その影響を受けにくいシスタチンC検査を行うことにしています。その他、尿中のタンパクの量をグラムで測定する尿タンパク定量検査も行います。