患者数日本一の性感染症「クラミジア」なぜ侮ってはいけないのか 性交1回の感染率は30~50%
「気になるのは男女ともに感染者数が15年以降増えていることです。定点当たりの報告数は15年が男性が11.8人から15.1人で1.3倍、女性は12.8人から13.9人で1.1倍となっています。とくに20代の男女の増加率が高い。国内の若年人口の減少を考えれば、他の年代に比べて子供を産むのに適している若年層の男女の性器クラミジア罹患率が高いことは出生率の低下にも関係する問題です」
性器クラミジアに感染した男性は、それを放置していると精巣上体炎を発症する恐れがあり、男性不妊の原因になるという。
「精巣上体炎とは、精巣に付着している精巣上体に細菌が感染して陰嚢の腫れ、痛み、発熱を生じます。ひどいと精巣に感染して不妊の原因となります。この病気のほとんどは性器クラミジア感染によるものです」
■治しにくく不妊につながる
女性の場合は、感染が子宮内膜や卵管に広がると、着床障害や卵管障害、子宮外妊娠などの不妊原因となる可能性がある。
「妊娠するには、精子と卵子が出合って融合した受精卵が子宮の内側を覆っている子宮内膜と呼ばれる粘膜に着床する必要があります。ところが、内膜に炎症があると着床できなくなる場合があるのです。また、卵巣と子宮を結び卵子と精子の通り道で、出合いの場所でもある卵管にまで炎症が広がると、卵管が狭くなって塞がり、卵子が通れなくなり、不妊リスクが高まるといわれています」