血糖値が急上昇した糖尿病予備軍が急いで受診すべき理由…怖いのは高インスリン血症
■動脈硬化のリスクも高まる
また、高インスリン血症になると、肥満や脂質代謝異常や尿酸代謝異常にも影響して動脈硬化に進展するとされている。
「日頃から運動する人はインスリンによりブドウ糖が積極的に筋肉に取り込まれますが、運動しない人は内臓脂肪組織の脂肪細胞にブドウ糖や脂肪を取り込んでしまう。そのため高インスリン血症の人はぽっこりお腹になりやすい。さらに高インスリン血症の人は腎尿細管におけるナトリウム再吸収を増加させる一方で、尿酸の排泄を低下させると考えられるため、痛風や結石リスクが高まります。高インスリン血症の人は脂質異常症になりやすいこともわかっています。それは、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が増えて善玉(HDL)コレステロールが減ってしまうからです」
実際、肝臓は余った血糖で中性脂肪を作り、インスリンは脂肪を分解する働きがある。しかし、インスリンの効き目が悪くなると、インスリンによる脂肪分解の力が弱まり、血管内の脂肪が多くなり、血管の内壁にコレステロールが蓄積して動脈硬化を起こす可能性が高まるという。