治療を受けてもよくならない…それは「心臓の肥満」かもしれない

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 日本でTGCVと診断された患者は2020年時点で300人強だが、潜在患者数は4万~5万人と推定されている。TGCVは、血中の中性脂肪の数値やBMI(体格指数)からは判断できないため、健康診断や人間ドックではなかなか見つからない。国内でも海外でもまだあまり知られていないこともあり、実際はTGCVなのに、心不全や狭心症などと診断され、治療が行われているケースが少なくないという。

■新薬の開発が進んでいる

「現時点ではTGCVに対する根本的な治療法はまだありません。そのため従来の心不全や狭心症、不整脈に対する標準治療が行われていますが、効果はそれほど期待できないのが現状です。そこで、厚労省の難治性疾患克服研究事業として、診断や治療の研究が進められています」

 TGCVを発見し、研究を主導してきた大阪大学の研究グループによる初のTGCV治療薬の研究も進んでいる。中鎖脂肪酸のひとつであるカプリン酸に心筋細胞内にたまった中性脂肪を分解する作用があることがわかり、カプリン酸を主成分とした治療薬が開発された。現在、有効性を検討する臨床試験が行われている。今年の10月末に終了予定で、25年の承認取得を目指しているという。

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