「マイボーム腺機能不全」の適切な治療で目の不調が改善される 初のガイドライン登場
■ホームケアが効果的
MGDと診断されたら、どういう治療が行われるのか?
「まずはホームケア。温罨法と眼瞼清拭です」(前出の田医師)
温罨法は、目を温めてマイボーム腺の詰まった油を溶かす方法。お湯に浸したり、濡らしてレンジでチンしたタオルを軽く絞り、冷めにくいようにポリ袋に入れ乾いたタオルで巻き、まぶたの上に5分ほどのせる。“目を温める商品”を使うのもいい。複数メーカーから市販されている。
眼瞼清拭は、まぶたの縁をきれいにすること。水で湿らせた綿球で拭いたり、クレンジング剤(目専用のものもある)で目の周辺をよく洗う。
次に、薬。MGDに対する点眼薬や内服薬を、眼科で処方してもらう。
近年、MGDの治療として注目されているのが、「IPL」と「LipiFlow」だ。いずれも自費診療となる。
「IPLは、光線をマイボーム腺に照射する治療法です。白内障手術をきっかけにMGDが悪化するケースはよくあるのですが、ある患者さんは3カ月前に白内障手術を受け、MGDの基本的治療を受けても見づらさが変わらなかった。ご本人の希望でIPLを行ったところ、2カ月で異物感はほぼ消え、視力が向上しました」(前出の天野医師)
LipiFlowは、特殊な医療機器でマイボーム腺を圧迫する方法。一気に多くの“詰まり”が改善される。
金額は医療機関によって異なるが、目安としてIPLは4回で2万円ほど、LipiFlowは1回4万5000円ほど。