著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

白内障の手術が難しいケースもある…使っている薬は必ず確認を

公開日: 更新日:

 必ずダメというわけではありませんが、条件によっては白内障の手術が難しい場合があります。

 まず、糖尿病、高血圧心臓病脳卒中の経験、前立腺肥大症などに罹患されていて薬を服用している方です。これらの病気に罹患しているから白内障手術ができないということはないのですが、使っている薬の種類によっては手術中に不測の合併症が起きることがあります。そのため、必ず手術前に確認するようにしています。

 次に、緑内障や網膜症などの目の病気のある方、角膜に強い乱視がある方、瞳孔が小さい方は、単焦点レンズは可能ですが、多焦点レンズは使用できないことがあります。瞳孔の大きさというものは人それぞれで、自律神経の作用で決まります。瞳孔が小さい方は多焦点レンズの効果が十分に出ないことがあるので、適応外となることも。瞳孔の大きさは眼科の検査ですぐにわかります。

 白内障手術を検討する人から「一度目の中に入れた眼内レンズは交換することができますか」と聞かれることがあります。物理的にはイエスなのですが、私はほとんど交換したことはありません。どうしても交換の必要があるなら、最初の手術から1カ月以内に再手術を予定しなければなりません。時間が経つと眼内レンズが目の中で癒着してしまい、きれいに交換することが難しくなってしまいます。

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