長寿研究のいまを知る(6)老化細胞を取り除く「ワクチン」「薬」は競争が激化している

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 免疫には人間には生まれながらに備わった自然免疫(マクロファージや好中球など食べて壊す細胞による攻撃)と獲得免疫(侵入した異物=抗原に対する抗体を作り、次回同じ異物が侵入すると攻撃)の2つがある。先に自然免疫が攻撃し、残った異物を後から獲得免疫が攻撃する。

 獲得免疫には細胞性免疫と液性免疫があり、前者はT細胞と呼ばれる免疫細胞が主体となって働く免疫で、抗体を作るのではなく、免疫細胞自体が異物を攻撃する。

 一方、液性免疫はB細胞が抗体を作ることで異物を攻撃する。

 T細胞は、ヘルパー細胞(異物が危険か否かを判断し、異物情報をB細胞に伝えたり、キラーT細胞に攻撃指令を出すなど免疫の司令塔役)、キラーT細胞(ヘルパーT細胞の指示で異物を攻撃)、制御T細胞(免疫が自己を攻撃しない免疫寛容の働きをする)からできている。

「老化細胞除去で注目されたのが、獲得免疫です。老化細胞の表面に出ている目印だけを攻撃するキラーT細胞に似た細胞を作って体内に注入。増殖させれば、体内の老化細胞を選択的に攻撃し、除去できるのではないか、という発想です」

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