著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

アンチエイジング効果のある食事とは? 双子21組を対象にした研究

公開日: 更新日:

 医療技術の進歩により、人の平均寿命は大幅に延びました。しかし、加齢に伴い発症する病気や障害は、医療経済的な負担の増加をもたらします。このような課題に対処するため、老化を専門とする科学である「ジェロサイエンス」が注目を集めています。

 老化は時間をかけて進行するため、既存の研究手法では調査に時間がかかりすぎるというデメリットがありました。しかし、近年では遺伝子の変化に着目することで、老化の程度を計測する方法論が開発されています。

 そのような中、動物性食品を食べないビーガン食の摂取と、老化の関連性を検討した研究論文が、世界最大級のオープンアクセス誌「バイオメドセントラル」の医療専門誌に、2024年7月29日付で掲載されました。米国で行われたこの研究では、健康な成人の双子21組(平均39.9歳)が対象となりました。双子のうち、一方の被験者にビーガン食が提供され、もう一方の被験者には多様な食材を用いた健康的な食事が提供されました。8週間にわたる食事提供を行い、ビーガン食の摂取と老化の関連性が分析されています。本研究では、老化現象を遺伝的変化に基づいて評価するため、比較する2者の間で遺伝的要因の類似性が必要であり、それゆえ双子のペアが被験者となりました。

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