年をとったら「抗凝固薬」のタイプと使い方に注意を払う
■出血しやすい副作用が強く現れるケースも
一方、ドアックは「納豆も食べていい」「頻繁な採血も必要ない」といった“うたい文句”で処方されるケースが少なくないので、ワーファリンに比べて「気楽で手軽な薬」といったイメージで飲み始める患者さんがたくさんいます。しかし、ドアックは効きが鋭い薬なため、ワーファリン以上に副作用が強く出てしまうケースがあるのです。
とりわけ、高齢者は腎機能が低下している人が多く、腎機能が悪いと薬が効きすぎてしまうリスクがアップします。さらに、加齢で筋力が衰えているため、転倒したときに出血しやすい副作用が強く現れると、命に関わる深刻な状態を招く危険が増大します。
また、ドアックは薬価が1錠538円と高額で、ワーファリン(同9.9円)の50倍以上です。ワーファリンからドアックに切り替えた患者さんから「1カ月の薬代が1万円近くアップした」といった訴えも少なくありません。そのために、継続的な服用を中止してしまうケースがあるのも懸念材料といえるでしょう。