(3)障害者雇用の成功モデル…「お客さま扱い」から脱することがカギ
退職をつなぎとめるための支援策があるとないとでは、定着率に大きな差が出ます。
「精神障害者の職場定着及び支援の状況に関する研究」(2014年3月障害者職業総合センター)によると、何らかの支援があった場合の定着率は77%ですが、ない場合は23%でしかありません。精神障害者が仕事を継続するためには、支援が必要なのは明らかです。
「精神障害者はさまざまな病気を持っていて、症状もさまざまです。個人個人に合ったオーダーメード治療が有効なのです。マニュアルがあれば解決できるわけではありません。個々人の状態をよく把握し、病院との連携を進めてほしいものです」(小野所長)
障害者の雇用と健康を守るために医療心理士の活躍が期待されます。 =つづく
(医療ジャーナリスト・油井香代子)