東京都が年度内提出目指す「カスハラ防止条例」…現場からため息が漏れるナゼ?
都内のコンビニ店長はこう明かす。
「土下座を強要したり、執拗に苦情電話をかけたり、暴力を振るうなどのモンスターカスタマーは警察沙汰にすればいいわけで、実際にそれで逮捕された例も過去にありますけど、厄介なのは犯罪とは言えないお客さんの方。毎日深夜に買い物に来るたびにきつい嫌みを言って帰るとか。“プチモンスター”って信じられないほどいるんです。それがストレスになって辞めたアルバイトは1人や2人じゃない」
具体的な禁止行為についてはガイドラインを策定するというが、関係者によると、条例ではカスハラから従業員を守る企業側の責務を規定することも検討するらしい。
「これまでだったら〈まあ、我慢してよ〉などと従業員をなだめすかして何とか乗り切っていたのが、もう〈現場でうまく処理して〉とは頼みづらくなる。従業員が〈会社は守ってくれなかった〉と東京都に駆け込むかもしれませんからね」(柏木理佳氏)
前出のコンビニ店長は「ウチみたいなアルバイト中心の職場になると、オーナーとか私が従業員を守るため、24時間対応に追われることになるんですかねえ……」とため息をつく。
従業員を守るのは当然だろうが、中途半端な条例に右往左往……それはそれで面倒くさいか。