幸福の科学が生んだ反ワクチン・反マスク活動家 主張や活動はなぜか教義とは別物
「子供に遺伝子ワクチン打たないで~!」
都内で新型コロナウイルス感染症の「まん延防止措置」がとられていた2022年3月。ノーマスクの集団が渋谷の街を練り歩いた。「コロナ問題を考える会」のデモだ。その中に、揃いのハッピを着て威勢のよい掛け声でみこしを担ぐ一群が。
「ファイザー! ファイザー!」
このデモに参加していた幸福の科学職員の与国秀行氏率いる政治団体「武士道」による反ワクチンみこし。なぜ「ファイザー!」の連呼なのかは、よくわからない。担ぎ手たちは、ひょうたんに入れた日本酒を回し飲みしている。“濃厚接触”どころではない。
幸福の科学では、コロナ禍初期の20年に教祖・大川隆法総裁が「法力でコロナウイルスを死滅させることができる」「マスクはいらない」などと口走り、信仰で感染や重篤化を防げるとして「信仰ワクチン」などという言葉も使い始めた。マスクを着用せず教団行事に参加する信者も多く、21年1月には大川自身が、「(学校の)クラスひとつ分くらいの人数」の教団職員が感染したと語っている。しかし、マスクやワクチンを禁止してはいない。ワクチンの副反応を抑える祈願を行っているくらいだから、むしろ接種することを前提としている。