都知事選の争点「東京一極集中」問題は40年前から進展せず…小泉政権のツケ“ブラックホール型自治体”の深刻度
■東京の「ブラックホール型自治体」化が加速する一因は……
なぜ一極集中がこれほど進んだのか。
今春の衆院国土交通委員会で、立憲民主党の谷田川元議員(61)はその一因についてこう考察していた。
「東京一極集中の是正は、中曽根内閣のときから、37年前からずっと政府が旗を振っているにもかかわらず、東京一極集中の是正どころか一極集中が進んでしまった」「私は過去、この37年間を振り返って、一番大きな東京一極集中を促進した政策は、小泉内閣の時のあの容積率の緩和だと私は思うんですが」
「規制改革、民間主導」を掲げた小泉政権では、当時の小泉首相が都市再生本部の本部長に就き、首都圏を中心とした大規模な「都市再生プロジェクト」を主導。国交省は2002年度予算概算要求で、国費ベースで全体の3割にあたる2.5兆円を都市再生関連事業に投じた。
主な内容は「民間の大規模都市開発の展開に対応して従来型公共事業で周辺基盤を整備すること」「土地規制緩和・容積率緩和を行うこと」「不動産の証券化を促すこと」で、これによって臨海地域の大型開発や大規模商業ビル、タワマンの建設などが進んだといわれる。