都知事選の争点「東京一極集中」問題は40年前から進展せず…小泉政権のツケ“ブラックホール型自治体”の深刻度
官民一体となって、都内で新たな施設や居住地をどんどん増やすのだから人口が増えるのも当然だろう。東京の「ブラックホール型自治体」化が加速する一因になった面は否めない。
ちなみに当時、「特定非営利活動法人 建設政策研究所『緊急経済対策』プロジェクト」という団体が「小泉内閣の『都市再生』についての見解」を公表。「都市再生」政策は国民に何をもたらすのか、としてこう警鐘を鳴らしていた。
「巨大建築物の集積により、都心への一極集中が再び引き起こされ、新たなまち破壊・過疎が進行し、住民にとっての居住環境をいっそう深刻なものになる」「地域の住民は再び追い出されるともに、新たに地域外の高所得層や外国人投資家など特別な階層の居住するまちとなる」「従来型の大規模公共事業の推進は、破綻している国家財政をさらに悪化させることになる。これは消費税増税などの国民負担増につながる」「環状道路などの建設は都市周辺のまち破壊、環境破壊を進めるとともに、都市部への公共事業の集中は地方の地域経済に深刻な影響を与える」
外国人投資家らによるタワマンバブルと住宅価格の急騰、神宮外苑の街路樹伐採による「まちの破壊」など、今、都内で起きている問題にまさに当てはまる話ではないだろうか。小泉政権から始まった「規制改革」という名の政策はここにきて、いろいろな側面が出てきているようだ。