資産家と結婚したのに超倹約生活。ケチケチ夫の銀座ホステス“貢ぎ不倫”が発覚!
セレブ妻は「サレ妻歴2年」
【39歳サレ妻が計る“夫婦円満”リベンジ不倫】
「サレ妻」という言葉を聞いて久しい。サレ妻とは夫に浮気(不倫)された妻のことを意味する。
今回、取材に応じてくれたのは奈緒子さん(仮名・39歳主婦/子供なし)だ。7歳上の夫・郁夫さん(仮名・46歳/子供なし)は東京23区内に大きな屋敷を構える資産家の長男で、4棟あるマンションの家賃収入で暮らしている。
待ち合わせ場所に現れた彼女は、ショートカットが似合うノーブルな美人で、エレガントなパンツドレスをスタイリッシュに着こなしていた。まさに「セレブ妻」を体現している彼女だったが、「サレ妻歴2年」だという。
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元カレを見返したくて資産家と結婚
奈緒子さんは語る。
「結婚前は大手保険会社に10年間勤めていました。大学卒業後に就職して、それなりのポジションになっていたんですが、実は3歳上でイケメンと評判の先輩社員とひそかに結婚前提で付き合っていたんです。でも、結婚の夢は呆気なく消え去りました。
付き合って2年目、会社の周年パーティで、海外留学から帰ってきた常務の令嬢が彼を見染めたんです。22歳の典型的な美人のお嬢さま。彼にとってはまさに『逆玉の輿』。将来の出世を約束されたも同然です。で、案の定、私はあっさり捨てられました。32歳の時です。
その後、知人の紹介で不動産会社に転職し、客である今の夫と出会ったんです。元ラガーマンの夫はイケメンとは程遠い強面(こわもて)でしたが、とにかく押しが強かったですね。最初から『奈緒子さんは美人ですね。僕のタイプです』『今度一緒に食事に行きませんか』などと、甘い言葉で口説かれたんです。
恋人にフラれてから1年、結婚を決めたのは、年齢のこともありましたが、とにかく『私を振った元カレを見返したい』という気持ちが強かったから。資産家と結婚して勝ち組になりたかったんです。
合鍵を持つ姑
新居は、彼の両親が所有する高級住宅街に建つマンションの最上階でした。ただし、同じフロアには義理の両親が住んでおり、ことあるごとに姑が合鍵で入ってくるんですよ。『この煮物は郁夫の好物だから』とか理由を作って…。
私の両親は、すでに他界していたんです。病弱だった母は私を生んで間もなく。そして男手一つで育ててくれた父も、私が25歳の時にすい臓がんで亡くなりました。
きょうだいはいません。だから『家族団らん』をあまり知らずに育ったんです」
釣った魚には餌をやらない典型例
――大変な人生を歩まれてきたのですね。話せる範囲でお聞かせください。
「あ…本題からそれてしまって申し訳ありません。『サレ妻』の話ですよね。結婚が決まった途端、夫は予想外のことを言ってきたんです。『僕は金のかかる女は嫌いなんだ。最低限の生活費は渡すけど、服や化粧品などのぜいたく品は、自分で稼いでほしい』って…。
そう言えば、夫も衣服などはリーズナブルな通販で買っています。車はありませんし、外食もほとんどしません。昼間はマンション管理の仕事を終えると、子供時代から交流のある『セレブなお坊ちゃん仲間』の家に集まっているみたいですね。
資産運用の真面目な情報交換もしているようですが、酒も飲まない、ゴルフもしない、大した趣味のない夫は、ひたすら資産を守ることを念頭に暮らしていました。だから、資産家であってもアラフォーまで独身でいたのかな、なんて思ってしまって…。
私はこれまでの貯金を切り崩し、なおかつ節約生活を強いられたんです。まさに資産家あるあるですよね。釣った魚には餌をやらない典型例です。
まさかの浮気!
そんな彼に異変が起こったのは、2年前。急に衣服や持ち物にお金をかけるようになったんです。そのうえ、夜に出かけることが増え、スポーツクラブに通い出して…。大学時代の女友達に相談すると『旦那さん、浮気しているんじゃない?』と開口一番に言われました。
本当はやってはいけないんですが、彼がお風呂に入っている時、洗面台にあるスマホをこっそり盗み見たんです。そこには浮気の証拠がこれでもか! と残っていました。
――郁夫さん、昨日はありがとう。売り上げに困っていたから、すごく感謝してる。大好きよ♡
どうやら、相手は水商売の女性のようです。そういえば、夫は義父が引退を口に出してから、不動産関係者に飲みに誘われるようになっていました。
――真由子のためなら、どうってことないよ。再来週は23歳のバースデーだね。パーティでは何をしたらいいかな? 今まで高級クラブになんて行ったことがないから、正直、銀座のしきたりが分からなくてね。良かったら、教えてくれないか?
ドンペリ2本で150万円
何と、相手は銀座の高級クラブのホステスでした。
――郁夫さんが来てくれるだけで嬉しい。閉店後は、いつものホテルで抱いてほしいな♡
――いっぱい抱くよ。でも、目に見える形でも応援して、真由子をトップにさせたいから、遠慮なく言ってほしい。
――じゃあ…2つだけ甘えさせて♡ ひとつめは胡蝶蘭の花を贈ってほしいの。5~6万円ほどの大きいもの。クラブって見栄の世界でもあるから、高級感ある胡蝶蘭を飾るのが夢で…。そして、ふたつめはシャンパンを入れてほしい。
――胡蝶蘭とシャンパンだね。分かった。
――胡蝶蘭専門店があるから、そこを紹介するね。
――シャンパンは何がいい? 誕生日なんだから奮発するよ。
――郁夫さんにしか甘えられないんだけど…ドンペリゴールドとドンペリP3、2本お願いしてもいい? ホステスにとってバースデーの売り上げは『成績表』同然なの。ここで、ママやホステス仲間にも認めてもらいたくて…。
――いいよ。いくらくらいになる?
――2本合わせて、150万くらいかな。
――分かった。真由子の大切な晴れ舞台だ。当日は大いに盛り上がろう!
夫の裏切り行為に呆然
読んでいて目を疑いました。お酒に150万円? 信じられません。私には必要最低限の生活費しかくれず、洋服や化粧品はぜいたく品だと言って経済的な締めつけをする夫が、150万円のお酒をねだられ、承諾するなんて。
おまけに不倫まで…。
(ひどい…完全な裏切りよ)
私はスマホを握ったまま、唇をきつく噛みしめました。
その時、
――奈緒子、そこにいるの?
バスルームから声が聞こえてきたんです。
――あっ…新しいバスタオルを持ってきたの。置いておくわね。
慌ててスマホを洗面台に戻して、脱衣場を後にしました。あまりの悔しさに、涙がこみ上げてきて…若いホステスを抱く夫の艶めかしい姿が脳裏をよぎって、吐きそうになりました」
夫を取り戻したい!
――おつらい現実を目の当たりにしたのですね。その後は、どうしたんでしょうか?
「知らないふりをしました。素人女性ならまだしも、相手はプロのホステスですから…。でも、完全にレスになっていた私は、その夜、寝室で私に背を向けて寝る夫の背中に後ろから抱きついたんです。普通の女性なら浮気した夫と肌を合わせるなど絶対イヤと思うでしょう。
でも私は違いました。心のどこかで『夫はプロの女性に都合よく使われているだけ。のぼせ上がっている彼を取り戻さなくちゃ』と妻としてのプライドがあったんです。
――ねえ、郁夫さん…たまには、いいでしょう? そろそろ子供もほしいし。
甘い声で囁く私に対して、夫は、
――疲れてるんだ。寝かせてくれよ。
けんもほろろに拒絶されたんです。
――だって、今日は排卵日だし…。お義母さんやお義父さんも『早く孫の顔が見たい』って言ってきて…。
――孫の顔なんて、弟の春夫で3人も見てるだろう。奈緒子は真面目すぎるんだよ。もっとゆったりと構えていればいいさ。
郁夫さんは1歳下の弟の話を理由に、さらに私を拒んだんです。
――でも…。
――だいたい女のほうから誘うなんて、はしたないぞ。
――はしたないだなんて…私だって子供がほしい。
――そういうこと言われると、男はプレッシャーなんだよ。
涙か枯れるほど泣いて…
口調こそ穏やかですが、完全に私を拒否する言葉に、私はひどく打ちのめされたんです。
――跡継ぎは弟に任せておいて大丈夫だから、今日はもう寝るね。
その瞬間、私の中で何かが壊れました。呆然とする私の頬に、いつしか涙が伝い落ちていました。音を立てぬようそっと寝室を出てバスルームに向かうと、頭からシャワーを浴び、思いっきり泣いたのです。
OL時代は結婚を約束した彼にフラれ、彼を見返したい一心で資産家に嫁いだ私は、夫にも拒絶されている。あまりの男運のなさに、涙が枯れるまで泣き続けました。
同時に、女としての決意がふつふつと湧いてきたんです。
(郁夫さんが23歳のホステスに心酔しているなら、私も自分勝手にやらせてもらうわ)
この日から、私のリベンジ不倫計画が始まったんです。もちろん、慰謝料をとられるようなヘマをせず、何よりも『夫婦円満』を装って」
続きは次回。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)