仕事が終わるのは夜7時半 ただし交通渋滞で遅くなっても残業代は出ない
郵便ポストの回収編
「郵便物の回収スタッフ募集 日当1万2000円」──。求人サイトの募集広告を見て、どんな仕事なのかと興味を抱いた。応募すると「面接にどうぞ」との連絡が。電車で1時間以上かかる郵便局に出かけて行った。
面接場所は郵便局の奥の休憩室。驚いたことに畳敷きの部屋で広さは20畳以上ある。その日は土曜のため面接官の湯川氏(仮名)と私だけだったが、普段は仕事の合間にここでスタッフがくつろいでいるようだ。
湯川氏は地方出身者のせいか純朴な笑顔で丁寧に説明してくれる。これまで接したバイトの面接官の中で一番フレンドリーだ。
彼の自己紹介を聞いて私は自分の勘違いに気づいた。郵便局にアルバイトとして採用されるのだろうと思ったら、雇用主は郵便業務を請け負う民間企業で、湯川氏はそこのスタッフという。郵便局の建物の中ではさまざまな企業の社員やアルバイターが働いているのだ。
仕事は歩道に設置された郵便ポストの中の手紙やはがきを軽自動車で回収する作業。6コースの回収ルートがあり、その日によってどこを走るかを割り当てられる。1コースあたり片道10キロだから往復20キロ。ポストとポストの間隔は3キロ前後で多くても24カ所だ。