さとゆめ 嶋田俊平社長(1)「700人の村がひとつのホテルに」で実現した地方創生の成功モデル
この価格設定でも宿泊客が満足できるような魅力を、「700人の村がひとつのホテルに」という斬新なコンセプトによって実現したのだ。
モダンにリノベーションした古民家ホテルを中心に、村のあぜ道や道路をホテルの廊下に、道の駅は土産物コーナー、天然温泉施設は大浴場、そして村人はコンシェルジュに見立て、村全体でおもてなしをする世界観をつくり上げた。
「中でも、村民ガイドが村の歴史や暮らしを自身の思い出を交えながら案内をする散歩プログラムが人気です」
豊かな自然に風情のあるゆったりしたホテル空間、地元の食材にこだわった食事に加え、村人との交流などで村に溶け込む楽しさも宿泊客は満喫できる。
「このような形にすることで、『何もない』と地元の人たちが思っていた村の風景や営みにも価値があるのだと理解してもらいたいという狙いもあったのです」
さとゆめは、「ふるさとの夢をかたちに」をミッションに掲げている。
地方創生コンサルティングといえば、地域が抱える課題を聞き出すことから始めるのが一般的だが、嶋田は違う。