2023年は56.2%まで減少…「配偶者手当」を廃止する企業が増えている背景
配偶者がいる従業員に支給されている「配偶者手当」を廃止する企業が増えている。配偶者手当は高度経済成長期に年功賃金など日本型雇用システムと共に企業に定着してきた賃金制度。しかし、近年は政府の女性活躍政策が進み、働く女性が増え、共働き世帯の急増(1278万世帯、総務省労働力調査2024年)で社会の実情は大きく変わってきた。
配偶者手当を支給している企業は、人事院勧告によると2009年には74.7%だったが、23年の時点では56.2%まで減少しているのである。ちなみに配偶者手当は、配偶者だけを扶養する従業員に対し平均1万2744円、配偶者と子供1人の世帯には1万9272円、配偶者と子供2人では2万5273円が支払われている。
■配偶者手当廃止は、政府の流れに逆行する?
総務省が公表する「家計調査年報(家計収支編)22(令和4)年」によると、夫婦共稼ぎの年収は831万1968円、このうち配偶者の収入は24.6%を占める。一方、夫婦2人で専業主婦の場合の年収は677万520円と154万円の収入格差があるのだ。従って配偶者手当の廃止は家計にとっては大きな減収、打撃となってくる。配偶者手当の廃止は、賃上げを求める政府の流れに逆行するのではないか。