「第2の堀井学」は誰だ?捜査はヨコタテどちらに伸びる?裏金香典疑惑に自民議員は戦々恐々
「裏金事件の第2幕」──。そんな批判が野党から噴出している。自民党に所属していた堀井学衆院議員(比例北海道ブロック)が、秘書らを通じて有権者に香典を配った公職選挙法違反の疑いで東京地検特捜部の捜査を受けている問題だ。香典の原資が裏金だった可能性が浮上し、自民党内は「第2の堀井は誰だ」と戦々恐々だという。
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公選法は政治家本人が葬儀に参列して渡す場合を除き、選挙区内で香典を渡すことを「違法な寄付」として禁止している。堀井氏は選挙区内の支援者らが亡くなった際、秘書や家族を通じて、香典1万~数万円を渡していた疑い。総額は数十万円に上るとみられている。
特捜部は18日、堀井氏の国会議員会館の事務所と議員宿舎、北海道登別市の地元事務所、自宅の4カ所を一斉捜索。自民党派閥の裏金事件の捜査過程で香典提供を把握し、裏金を香典に使ったとみて悪質性の高さから強制捜査に踏み切った。堀井氏への任意聴取も実施したという。
堀井氏の裏金総額は2196万円。裏金議員の中でもトップクラスの“蓄財”だが、約100人に上る裏金議員のうち、起訴された現職議員は不記載額が計約5100万~3500万円と特に高額だった大野泰正参院議院、谷川弥一前衆院議員、池田佳隆衆院議員の3人だけ。問題は、堀井氏の裏金香典疑惑が他の裏金議員にも波及する可能性があることだ。
裏金事件での起訴を免れた議員は収支報告書の訂正でお茶を濁し、肝心の使途については「不明」でノラリクラリ。安倍派幹部の萩生田前政調会長は国会で「不明のオンパレード」とツッコまれたものだ。使途不明の裏金が実は香典やその他の違法な寄付に化けた可能性は否めない。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう言う。