歌舞伎町で行列店…元巨人投手は“立ち食い焼肉”の先駆者

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 売れ残った肉をひたすら食べ、味や効率のいい提供法を研究する日々。肉の仕入れ量は天候や周辺イベントなどを徹底的に組み込んで模索した。集客も自らが「店の看板」として毎日カウンターに出ることで改善を図った。

 努力の成果が表れたのは数カ月後だった。

「肉の一切れ売り」という物珍しさと口コミの評判で、グルメ誌やテレビ番組などが取材に訪れるように。「一度来て実際に食べてもらえば満足してもらえる自信はあった」と中村さんは言う。

 自慢の味と焼肉の立ち食いスタイルは瞬く間に世間に広まり、いつしか店の前は長蛇の列が日常化。開店当初、620万円だった月商も、昨年10月には1660万円を記録した。わずか4坪の焼肉屋でこの売り上げは“規格外”だろう。

「この店が開店してから、実は1日も休んでません(苦笑)。でも、この生活が辛いとは思いません。自分が店にいれば何かあった時にすぐ対処ができますし、僕の顔を見に来てくれる野球ファンもまだ…いますからね」


▽なかむら・はやと 1975年8月22日、長崎県生まれ。00年ドラフト4位で日本ハムに入団。04年途中にトレードで巨人に移籍。06年は独立リーグ、台湾でプレー。14年7月に「立ち喰い焼肉 治郎丸」の店長に就任。日本でのプロ通算成績は88試合15勝18敗1セーブ、防御率4・32。身長183センチ、体重90キロ。右投げ右打ち。

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