ジョーカーから脱皮 決勝弾のFW横山はなでしこの新救世主

公開日: 更新日:

 4月9日のコスタリカ戦(熊本)から2カ月。

 欧州遠征中のなでしこジャパンが、オランダと対戦(日本時間10日午前1時半開始)し、1―0で勝利を収めた。値千金の決勝ゴールを決めたのは、ここのところ、なでしこジャパンの救世主となっている長野FW横山久美だ。

 59分にピッチに送り出された横山は、いきなりFKを任される。これは惜しくもゴールには至らなかったものの、その2分後、ドリブルから豪快に右足を振り抜いた。

「ここ(オランダ)にきてシュート練習もパーフェクトだったので、そのまま勢いに乗れた」(横山)と、イメージ通りの一発だった。

 ほんの2年前まで、90分間走り切る体力を持ち合わせていなかった。なでしこ入りを果たしたことで弱点は際立ち、重く横山にのしかかった。彼女に90分間を任されることはなく、与えられたのは“ジョーカー”としての役割だった。それでも悔しさを奥底に追いやり、結果を残し続けた。自分自身に「それしかない」といい聞かせるように口にし、苦手な走力アップに懸命に取り組んだ。その成果が表れ始めた今シーズンは、代表でも6ゴールを叩き出すまでになった。

 まさに成長株筆頭の横山。7月にはドイツのブンデスリーガ1部フランクフルトでの挑戦を控えている。23歳のなでしこジャパンエース候補の武者修行にも注目したい。

 (写真・文=早草紀子)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”