スペイン代表イニエスタ 多くの選択肢から最良の一手選択
バルセロナを退団するに当たって「これまでやってきたプレーをバルセロナでは見せられなくなった」と話したMFイニエスタだが、ロシアW杯に出場する強豪スペイン代表のレギュラーを張っているわけだし、その実力に陰りが見えているとは思えない。というよりも、プレーの質自体は変わっていないし、たとえばキレなどは昨シーズンよりも上だと思う。
年齢的なこともあり、90分間を通して一度もミスしない、ボールロストしない、緩慢な動きは見せない――ということが難しくなっているのは確か。しかしながらイニエスタの持ち味である「思ったところに想定外のタイミングでボールを出せる」プレーは健在だ。まだまだ十分に世界のトップレベルにある。
彼の良さに「多くの選択肢の中から最良の一手を瞬時に判断する」ことも挙げられる。スパイクのアウトサイド、インサイド、足裏を使いながらボールを保持し、相手DFの予測不能のタイミングでスパッと味方選手に絶妙パスを送り、そしてゴールにつなげていく。
そのイニエスタがW杯後、Jリーグ神戸でプレーする。まさに「眼福」と言っていいだろう。