森保J五輪も前途多難…U-23で見えたアジアサッカーの停滞
「サウジのお家芸は堅守速攻。ところが決勝では局面に応じてパスをつないでボールポゼッションを高め、韓国相手に主導権を握ったのが印象的でした。韓国もつなぐサッカーを志向していますが、最後は<サウジを上回る高さ>を武器にセットプレーから決勝点を奪いました。東京五輪のアジア出場枠は3。両チームともに準決勝を突破した時点で東京五輪への出場を決め、決勝は大味な展開になるという見立てもありましたが、両国とも決定力不足が目に付いたものの、見どころありの試合内容だったと思います」(元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏)
もっとも、世界の中の<アジアのレベル>には「寂しいものがある」と元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏がこう続ける。
「韓国、サウジ、オーストラリア、イラン、日本のアジア5強は選手にしても、チーム全体のレベルにしても<小粒感が否めない>という印象を持ちました。3位決定戦でオーストラリアに敗れて東京五輪出場を逃したウズベキスタン、準々決勝でサウジに敗れたタイなどレベルアップした国もあったが、いくらセカンドグループが奮闘努力しても5強が強くならない限り、アジア全体の底上げにはつながりません。今大会への関心度も低く、観客200人ちょっとのスタジアムもあった。アジアサッカーの全体の停滞感を物語っていた」