KINGペレ80歳の誕生日に思うこと<下>
1970年代にヨーロッパで「ジーザス・クライスト・スーパースター」というオペラ型のロックミュージカルが人気を博し、その主題歌「Jesus Christ Superstar」も大流行した。初めてテレビでそのイントロを聴いた時は、鳥肌が立ったものである。
最近、日刊ゲンダイで連載中の三枝成彰氏のコラム「中高年革命」でジョン・レノンのジョンは<洗礼者ヨハネを指す>ことと知った。英語でジョンはフランス語ではジャン、イタリア語ではジョバンニ、そしてドイツ語圏では「ヨハン」になる。こうしたバックボーンも「ジーザス・<クライフ>・スーパースター」という替え歌の誕生に関係していたのではないかと思い至った次第。
話をペレとジーコに戻そう。ストライカーのペレと比較した場合、ジーコは得点力を持っている<類まれなパサー>であって<FKの名手>と言えるだろう。それでも、若い頃から「白いペレ」のニックネームで親しまれ、ペレも「私に最も近づいたのはジーコだ」とその才能を認めていた。
ちなみにペレの本名エドソン・アランテス・ド・ナシメントと同様、ジーコの本名(アルトゥール・アントゥネス・コインブラ)を知っているかどうか、それがサッカーファンのマニアック度を測る物差しになっている。マラドーナもその系譜につながる選手(本名ディエゴ・アルマンド・マラドーナ)と言っていいだろう。誕生日は10月30日。ペレの20年後に生まれたマラドーナは、ちょうど60歳となって還暦を迎えたことになる。