「猫弁と幽霊屋敷」大山淳子著
新宿の傾きかけたビルの1階に法律事務所を開いている百瀬太郎は、ペット訴訟の末に引き取ることになった猫17匹を飼っている。ある日、千住澄世が幽霊屋敷の管理の依頼にきた。父から受け継いだが、特定空き家に認定されると固定資産税が6倍に跳ね上がる。
百瀬が幽霊屋敷に行ってみると、ツタに覆われて廃屋のようになっていた。向かいの住人が、深夜、幽霊屋敷に人が出入りしているのを何度か目撃しているという。屋敷の2階を確認していると、暗闇の中で2つの目が光った。オオカミが子猫をくわえている。刺激しないようスマホの光を落としたとき、階下で声がした「泥棒!」。
お人よしの弁護士が活躍する猫弁シリーズ。
(講談社 1650円)