新しい古本ビジネスの誕生!?NFT新書 定価の5.6倍で取引成立
石井光太著「教育虐待」(早川書房、1496円)のNFT電子書籍版が、7月14日、「NFTアイテム取引サイト」で定価の約5.6倍の8480円で取引成立した。書籍を巡る新しいビジネスが創出されつつある。
NFTとは、偽造や改ざんができない仕組みのデジタルデータのことで、これにより資産価値が担保される。早川書房は6月、世界で初めて、NFT電子書籍付きの紙書籍を書店やオンラインで販売。通常版よりも440円高いが、購入者には数多くの利点がある。
例えば、紙と電子版の両方を所有できるため「家では紙、外では電子版を読む」ような使い分けが可能に。著者の対談動画などの特典も付くが、何といっても最大の特徴は、オンラインサービス「FanTop」で電子書籍を古本のように売りに出して利益を得ることができる点だ。
「低価格での流通を想定していたので驚きました。定価よりも高く取引された場合、超過分は一定割合で著者に還元されるので、著者応援として石井先生のファンが高値で購入したのかもしれません」(早川書房担当者)
出版界には「どれだけ古本が売れても著者には還元されない」という問題があるが、NFT電子書籍の2次流通は、取引履歴の正確な把握ができるため、取引量に応じた著者への利益分配が可能になるのだ。
同サイトでは、定価の65倍の10万500円で出品された書籍も確認できた。あなたも挑戦してみては?