「タイパの経済学」廣瀬涼著

公開日: 更新日:

「タイパの経済学」廣瀬涼著

 若者たちが重視する「タイパ」(タイムパフォーマンス)について、消費文化論の視点から考察する現代社会論。

 タイパは、ファスト映画や動画の倍速視聴の側面から語られることが多い。

 タイパは、効用の最大化のために消費の最適解を検討するという点では「コスパ」と類似しているが、その目的は大きく異なる。

「お金がないから安いモノを求める」というコスパの行動は合理的だ。一方、「時間がないから時間のかからないモノを求める」というタイパの行動は一見合理的に思えるが、ファスト映画のように本編を見ずに内容を知って満足するという行動に合理性があるとは思えないと指摘。

 このようにコスパとタイパの消費行動を分析しながらタイパの本質に迫る。

(幻冬舎 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造