寿命や健康に関する最新研究本特集

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「エイジング革命」早野元詞著

 人生100年時代といわれるが、自分の寿命は誰にも分からない。ゆえに余計に寿命や健康のことが気になるのだろうか。今週は、寿命や健康に関する最新の研究の本を紹介する。



「エイジング革命」早野元詞著

 日本人の平均寿命が約70年間で20年ほども延びていることからも分かるように、老化は食事や運動習慣、睡眠などの「後天的」な要因が8割以上を占めている。老化研究者の著者は、20年後には150歳ぐらいまでの寿命延伸治療が創薬によって可能になるという。さらに「老化した人が若返ったり」「老化しないまま生涯を過ごせる」ような世界が実現しているかもしれないとも。

 本書では、老化は「病気」であるから「治療」も可能という視点から世界中で進む研究の最前線を紹介する。

 老化をもたらす後天的要因によって体に生じる違いは「エピゲノム」と呼ばれる遺伝子の「発現の仕方の変化」だという。そんな老化のメカニズムを詳述。その上で、「カロリー制限」や糖尿病の治療薬「メトホルミン」、化合物「ラパマイシン」などの老化抑止効果を紹介。

 老化のない社会の到来が何をもたらすのかまで展望した衝撃の書。 (朝日新聞出版 924円)

「健診結果の読み方」永田宏著

「健診結果の読み方」永田宏著

 健康診断でよく出てくる項目について、臓器別、病気別に解説してくれるハンドブック。

 健診で必ず行われる身体測定。厚生労働省は肥満度を表すBMIを、40歳以上は22.0を理想的な数値として、25.0以上を「メタボ」としている。しかし、健診者の集計データを調べると、男性では全年齢で3割以上、とくに50代では4割近くがメタボに属していることになるという。

 このようにそれぞれの項目について特定健診の年代別データを添えて解説してくれるので、健診で異常が指摘されても、自分の結果が同じ年代のなかでどの位置にいるのかがすぐに分かる。

 以下、血圧と心肺機能から血算検査、糖尿病、脂質、肝機能と順次解説。

 その上で、血糖値が前年と比べ急に上がっていたらすい臓がんの可能性が、たばこを吸わない人が赤血球が多い多血と言われたら睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるなど、数値から分かる病気の可能性についても言及。一家に一冊常備本。 (講談社 990円)

「最適脳」デヴィッド・JP・フィリップス著、久山葉子訳

「最適脳」デヴィッド・JP・フィリップス著、久山葉子訳

 どんな状況においても最高の自分でいられる「セルフリーダーシップ」の極意を教えてくれる自己啓発テキスト。

 その極意とは、人間の気分や幸福感を左右する脳内物質を増やしたり減らしたりして「自分を最適化」するというもの。

 その脳内物質は、ドーパミン・オキシトシン・セロトニン・コルチゾール・エンドルフィン・テストステロンの6種。

 ドーパミンは、モチベーションや勢い、何かを手に入れたいという要求を生み、長期記憶にも重要な役割を果たす。

 ドーパミンには短い効果しかないクイック・ドーパミンと、効果が長く続くスロー・ドーパミンがあり、そのバランスが大切。ゆえにクイック・ドーパミンを減らし、スロー・ドーパミンを出す方法を解説。

 以後、人との連帯感や寛容さを得られるオキシトシン、満足感や安定感を得るセロトニンなど、各物質の役割を紹介しながら、それらをコントロールする術を伝える。 (新潮社 1210円)

「百歳まで歩ける人の習慣」伊賀瀬道也著

「百歳まで歩ける人の習慣」伊賀瀬道也著

 人生100年といわれるが、健康寿命は平均寿命よりもはるかに短い。健康寿命を延ばすには、しっかりと歩けることが重要な要素だという。さらに脚力と血管力(=血管年齢)には密接な関係があり、どちらか一方だけを鍛えても望むような結果を得られないそうだ。

 本書は、脚力と血管力が健康にどのように関係しているのかを解説しながら、それぞれの鍛え方を教えてくれる指南書。

 現在、厚生労働省は、65歳以上の高齢者は1日6000歩を目標値として掲げている。ウオーキングには、認知症やがんの予防、血圧を下げるなどさまざまな効果がある。さらに、最近の研究では歩くことによって骨格筋から「マイオカイン」と総称される生理活性物質(サイトカイン)が分泌され、血液に乗って全身に運ばれていることもわかっている。

 そうした歩くことの効果とそのメカニズムを解説。その上で、体の老化状況を把握する方法や、脚力と血管を若返らせるトレーニング法や食事法など紹介。 (PHP研究所 1210円)

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